2012年、初のツアーは明治神宮初詣。22万坪の敷地を2時間かけてぐるりと一周するツアーです。知ってるようで意外と知らない明治神宮、スタートは原宿駅前の神宮橋から。親柱が灯籠のかたちをしたこの特徴的な橋ですが、この橋の名前も意外と知られていないですよね・・・。
今日は参拝客が多いという情報を得たため、少し時間を繰り上げてツアースタート。 玉砂利の南参道を歩いていると、一番初めのポイント「代々木」が現れました。見上げてもてっぺんが見えないほど大きなもみの木です。
でも、この木は実は二代目。元々ここにあったもみは、これよりももっと大きかったのです。 幕末にペリーの艦隊が江戸湾に来ていたとき、艦隊の動きを報告するのにこの木に登っていました。渋谷から海岸線が見えるほどの大木があったなんて驚きです。 代々木を後にして、次は日本一の大鳥居へ。大鳥居の桧は烏龍茶で有名な台湾の阿里山のものが使われています。
ここで明治神宮の森についても説明。 いまではこんなに木が生い茂る明治神宮ですが、150年前のこの地は不毛の荒れ地だったこと、ご存知だったでしょうか。明治神宮の森は創設するにあたり「手入れしなくても永遠に茂る森」を目指して人が植林した、人工の森なのです。この計画を実行するために林学博士などが集まり、林相の変化を科学的に予想した植生遷移の図を描きました。それが「明治神宮御境内林苑計画」です。この植生遷移の図を見ながら150年の時の流れに思いを馳せました。
大鳥居をくぐり、次は御苑入り口へと向かいます。途中、お正月の氷の彫刻が参道を飾ります。冬の清かな光が氷に射し、美しく輝いていました。
御苑の前では、この庭園の美しさが昭憲皇太后のお気に召し、結果的に明治神宮をここに造る決定打となったことなどを説明しました。ここにある清正の井戸もいいけれど、それほどの風光明媚な御苑の庭園にも目を向けたいものです。
一同は更に奥へと進んで、いよいよ本殿の参拝へ! 正しい手水の方法のレクチャーの後、いざ手水舎へと向かいます。
本殿には新年も明けてもう10日以上経つのに参拝するお客さんでいっぱい! 空いている列を選びながら参拝のときを待ちます。 ふと、目を横に向けるととっても上手な書き初めが展示されていました。
書いているのは・・・え!? 中学生!?
お参りを済ませ、心も引き締まったところでツアーは後半戦。客殿を出て、宝物殿へと向かいます。
茂る森から一転、360度見渡せる広い空が迎えてくれました。
宝物殿は日本での初期の鉄筋コンクリート造の建築で、建築史のなかでも重要な建物。デザインは和風ですが、技術としてはコンクリート造と西洋のものを取り入れているところが特徴的です。
この宝物殿のデザイン、設計競技で決めたものなのですが、入選作が決まった後に建物の用途が変わってしまったため、応募図案を参考に別のものが建てられたとか・・・。
会津産の赤い薬掛瓦は近くまで行って見ると迫力と威厳があり、圧倒されました。
みんなで記念写真を撮影して、ツアーはここで終了。ツアーだけ参加の参加者とお別れした後、タクシーで交流会の会場、渋谷区文化総合センター大和田の「bel mare caffè」へ。
今回の交流会は若い人組、そうでない人組にわかれていたので世代ならではの会話が飛び交ったように思います。フルーティーなワイン、おいしかったなぁ。